「なかなか子どもができない」など妊活に苦労している夫婦は多くいます。結婚して出産したいなら、ブライダルチェックを受けてはいかがでしょうか?
思わぬ病気などの発見にもつながります。ブライダルチェックの検査内容や費用、男性向けのブライダルチェックの内容までご紹介します。
ブライダルチェックとは?
ブライダルチェックとは、妊娠・出産を考えている女性のための婦人科検診のことです。妊活を始める前に必ずしも受けなければいけないわけではありませんが、しばらく妊活をしてもなかなか子どもが出来なかったり、なにか不安があったりするのであればブライダルチェックを受けて調べておくといいでしょう。
基本的には妊娠に影響がある性感染症や病気を調べるのがブライダルチェックの目的です。たとえばクラミジア・淋病・トリコモナスなど。あるいは若い女性の間で発症リスクが高い子宮頸がんや卵巣腫瘍など、何かしらの病気がないかをしっかりチェックします。
特に最近は晩婚化が進んでいるので、妊活を継続している女性も多く、妊娠は大きな悩みの一つになりつつあります。こうした不安を払拭し、より確率の高い妊活をするためにもブライダルチェックを行う女性が増えているようです。ブライダルチェックで1~2割の人に疾患が見つかるとも言われているので、できれば受診した方が良いでしょう。
ブライダルチェックの検査内容は?
ブライダルチェックの内容は千差万別。というのも、人によって自分で確認済みの項目があったりして、受けたい内容が変わるからです。定期的な健康診断で婦人科系の病気をチェックしている人もいれば、住んでいる澄んでいる市区町村のがん検診を受けている人もいて、そこでカバーできていない検査を自主検査で確認しようと考える人が多く、自分でどの部分を把握できていないか確認してからブライダルチェックの予約をしましょう。
【1】子宮頚部細胞診(子宮頸がん検査)
子宮頸がん検査は若い人も受けるべき代表的な検査項目。というのも、性経験がある人すべてが検査対象になるからです。やり方は綿棒やブラシなどで子宮頸部をこすり、粘膜細胞を採取するというもの。すぐに検査が完了するので、比較的手軽に検査することができます。
【2】経腟超音波検査
膣内の超音波検査です。子宮と卵巣に異常がないかを細長い超音波器具を入れてチェックするというもの。子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう種の有無を確認できるので、これもメジャーな検査項目です。
【3】STD検査
おりものを検査して性感染症を調べます。膣からおりものを採取することで、クラミジアや淋病、トリコモナスなどの性感染症にかかっていないかをチェックします。
特にクラミジアに感染している人は比較的多く、早めの治療が必要です。自覚症状がでにくいため、こうした検査をしてみないと気づきにくいのが難点。治療しないと不妊症や子宮外妊娠をしてしまうリスクもあるので「私は関係ない」と思わず、きちんと受診しておきましょう。
【4】風疹抗体検査
見落としがちなのが風疹抗体検査ですが、妊娠初期に風疹に初めて感染してしまうと流産劉さんにつながるリスクもあるので、なるべく早く受診するべき項目です。抗体ができていないと妊娠中に風疹にかかる可能性があります。そして、妊婦が風疹にかかると胎児にも影響が出てしまう可能性があります。
できれば結婚する3ヵ月前には受けておくと安心です。風疹の検査はほかのがん検診などと違って一度の検査で完了するので、定期的に何回も検査する必要はありません。
【5】はしか抗体検査
はしかは風疹といっしょだと思われがちですが、全く異なるウイルスなので別の対処が必要です。大人になると、はしかのワクチンを受けたかどうか覚えていない人も多いでしょう。わからなければ抗体検査をしないまま、すぐにワクチンを受けてしまって問題ありません。
というのも、はしかの免疫はワクチン1回の接種で約10年しか持続しないからです。
小さい時にワクチンを接種していても、10年経ったら意味がないということ。抗体があってもワクチンは接種できますから、リスクヘッジしておきましょう。補助制度がある自治体もありますが、補助制度を利用する場合は検査をして抗体が低いとわかってから再度ワクチン接種しに行く必要があり、非常に手間がかかるのが難点です。
また、注意点は生ワクチンのため妊娠している間は接種できず、生ワクチンを受けてから2か月間は避妊しなければならないこと。男性は避妊否認の必要はありません。さらに、ステロイド薬や免疫抑制薬を投薬している場合、量によっては生ワクチンを接種できないこともあるので、事前に医師に相談しましょう。
ほかにも梅毒の抗体検査や、エイズに感染していないかチェックするHIV(ヒト免疫不全ウイルス)抗体検査などもあり、まだ受けていない検査があれば受診するのがおすすめです。
ブライダルチェックの費用は?
ブライダルチェックの費用は受ける検査項目によって異なりますが、大体は2~5万円が目安です。自主的に受けるものに関しては保険適用外のものが多いのですが、市区町村で実施している検査を併用すれば費用を抑えられます。まずブライダルチェックを受けたい項目を洗い出してから、住んでいる市区町村に問い合わせをして、補助を受けられる検査項目がないかチェックしましょう。
また、会社に勤めている人は定期的に行っている健康診断の中に婦人科系の診断が含まれていることもあるので、すでに検査を受けた項目は除外しておくと費用をおさえられます。
HIV検査や性病検査は市区町村の保健所が無料で診断を行っていることもあります。
たとえば、世田谷区では無料、匿名、予約不要でだれでもHIV感染症、梅毒、性器クラミジアの検査を受けることができます。検査だけでなく、性感染症の相談も受けられます。検査受付日時が決まっているので、インターネットで調べるか電話委で問い合わせしてから行きましょう。
さらに、自宅で検査できるキットも販売されています。費用の目安は大体1万円前後。まずは自分で検査していたいという方や、なかなか検査する時間が取れない方は検査キットを活用するのもひとつの方法です。ただし、キットを使って自分で検査するよりも、病院などでしっかりと検査してもらった方が確実なので、できれば足を運んできちんと検査を受けましょう。
ブライダルチェックは男性向けもある?
ブライダルチェックは女性が受けるイメージが強いものの、不妊の原因は男女ともに考えられます。当然半分は男性側に起因するわけですから、なかなか妊娠しないようであれば、夫婦ともにブライダルチェックを受けるのがおすすめです。男性の検査費用の目安は、大体15000円ほどです。
男性は女性と同じように婦人科に行っても検査を受けられますが、泌尿器科でも検査を行えます。婦人科に行くことに抵抗があるようなら、泌尿器科で検査を行っている病院を調べて、検査を受けるといいでしょう。夫婦で一緒に受けるなら婦人科に行ってくださいね。妊娠・出産はふたりの問題なので、できれば一緒に受けるのがおすすめです。
一緒に検査を受ければ、医師に対して同時に相談ができますし、意見もすり合わせしやすくなるはず。不妊赴任はデリケートな問題ですから、すれ違いが起きないように同じ知識を共有し、ふたりで一緒に妊活に取り組んでいきましょう。