福岡の結納のやり方には「寿美酒（すみざけ）」「御知家（おちや）」「お茶見せ」など独特の風習がいくつかあるので、これから結婚するカップルはきちんと予習しておきましょう。さっそく福岡特有の結納のしきたりについてご紹介します！

福岡ならではのしきたり「寿美酒（すみざけ）」はお酒のことではなく、結納を行う前に結婚の約束を交わす儀式のことです。婚約が決まってから近い大安吉日を選び、新郎方が新婦側へ「酒一升」「鯛一匹（尾頭付き）」「お茶」を持って挨拶に行きます。

お茶を持っていくのは珍しいですが、福岡では結納専用のお茶セットが売られていて、結納品専門のお店もあるので手軽に購入できます。お茶は「花嫁が実家を出るのは一度だけ」という意味で「一度しか出ない」番茶を選んだり、あるいは「お茶のように何度も出ないように（結婚を何度もしないように）」という意味で持っていったりとさまざまな説があります。
酒一升には「一生（一升）」、鯛一匹には「一代（一鯛）」の意味があります。この3品を結納専門のお店でまとめて購入すると楽です。

次に結納です。結納品は9品目か11品目が一般的で、九州ならではの結納品が3つあります。
まず、角樽（つのだる）。2本の角のような柄を持つ朱塗りの酒樽で、祝い酒として持っていきます。
次に、家喜鯛（やきだい）。雌雄2尾セットになった真鯛で、「夫婦で一生連れ添うように」という想いが込められています。
最後に、御知家（おちや）。これはお茶の葉で「お茶が物を緑に染めるように、花嫁が嫁ぎ先に早く馴染むように」という意味や「お茶が一度しか移植できないように、結婚も一度だけで済むように」といった意味が込められています。

近年は簡略化されることも珍しくありませんが、福岡エリア内でも地域差があるので両家の意向を確認して、親御さんが納得できるやり方で進めるのが無難でしょう。

「結婚予算」とは、「挙式と披露宴・披露パーティの総額」のこと。全国平均は359.7万円なのに対して、福岡のある九州の平均は372万円。平均よりも約12万円高く、比較的豪華な結婚式を挙げる傾向があるようです。
出典元：「ブライダル総研：結婚トレンド調査」

福岡県での結婚式は神前式が多く、昔ながらの気品あふれる結婚式を好む方が多いため費用が高めになっているのかもしれません。また、男性のプライドも高いので、しっかりした重厚感のある式を挙げるカップルも比較的多い傾向があります。人生の節目にふさわしい結婚式が挙げられそうです。